フランス西海岸の旅2006



渋滞の高速


ヴァンヌの港からベル・イル島へ向かう船


町の中心部にあるサン・ピエール大聖堂


 ヴァンヌ旧市街まで達する運河。もちろんベル・イル島まで航行可能


 旧市街をめぐるプチ・トラン。大人5ユーロ


80年の伝統を誇るサーカスARMERの公演。末席で13ユーロだった。




ダルアトラクション会場


 ダルアトラクション会場内のバー。もちろんキャストは皆コスプレしている


 
観客席に上る階段


 猛禽ダンス会場

2006年夏のフランス西海岸レンタカー家族旅行周遊記です。三銃士関連情報のほかに子連れフランス旅行をされる方に参考となる情報もたくさん盛り込みました。

パリで寝込み、療養生活−食い倒れの夢が潰える

職場から勤続×周年休暇をいただきましたので、早速、西フランスに一週間の家族旅行に行ってきました。・・・とはいうものの、今年から娘は小学生になり、やたらな時期には休めなかったので、結局差し支えのないお盆の時期に、航空運賃節約のため、ちょっとだけ安くなる日程にずらして出発となりました。出発前にインターネットでいろいろ調べていましたら、丁度ヴァンヌのお祭りと重なっていたのと、同じ方向のテーマパークで三銃士のアトラクションが新設されたというニュースがありましたので、今回はこのあたりを中心に、ということで作戦を立てました。

飛行機はセントレア開港と共に復活したパリ直行便。JALとエールフランスの共同運航便ということで、乗り継いで15時間かかるフランクフルト経由便と比べて12時間のパリなんて楽勝!と甘く見ていたのですが・・・
JALの機材を使った共同運航便は、ほとんど日本仕様で、座席ごとにオンデマンドのビデオ&ゲーム機までついていて快適。
ところが、到着直前の食事のあと、娘の気分が悪くなり、空港でひとしきり休んでから、レンタカーで、なんとか初日のホテルまでたどり着く。(このさわぎでフランクフルト経由便との時間差はなかったことに)まさかの飛行機酔い??と訝っていたら、翌昼までには私もダンナも食欲なくなりダウンして、胃腸風邪確定となったのでした(泣)
前回娘の発熱で1日無駄にしたので、体調管理は万全だったのに、どこで感染したのか謎です。やっぱ空港かなー。油断した。―――今回の格言『空港&機内も手洗い励行!!!』

こんな訳で、フランス一日目はブラジュロンヌ城のモデルと言われるパリ近郊のル・ソーセー城にでも行ってゆっくり過ごそうと思っていたのですが、いきなり完全休養日になってしまいました。サン・ジェルマン・アン・レー近くのORGEVALに定宿のNOVOTELが二泊予約してあったので、ここで一日ゴロゴロしつつ、時差調整しながら、オプションサービスの無線LANを利用して情報収集してました。近所には、銃士マークのスーパーINTERMARCHEが入る、ショッピングモールがあったので、食料の調達には困らなかったんですが、とにかく食欲がなくて、機内食からテイクアウトしたパンさえ片付かない状態だったので、「フランスに行ったら、おいしいものをたくさん食べる!」の夢は、あっけなく崩れたのでした。
ちなみに、こんな状態になったときは、絶食&水分補給&休養なわけですが、現地調達可能な延命(笑)アイテムbPは、1本から量り売りしてくれるバナナ&リンゴでした。りんごのコンポート(砂糖煮)も、デザート売り場で普通に入手できます。驚いたのは、日本でごく普通に買える水分補給のイオン飲料が、なかなか見つからなかったこと。スーパーの飲料売り場を隅々まで探して、飲み口のついたスポーツドリンク1種類をゲットしたけど、ドラッグストアにはなかったし、あと見かけたのは、スポーツ店と高速道路の売店ぐらいで結構入手難(ミネラルウォーターで足りるからいらないんだろうか?)でした。

ヴァンヌはやっぱり遠かった

二日目、なんとか動けるようになって、大西洋岸のヴァンヌまで車で移動。アラミスいわく420キロの道のり。ポルトスは馬で早駆けして30時間かかると言ってましたが、ミシュランのルートガイドで計算すると車での所要時間5時間。(TGVだと3時間)この移動日を土曜日に設定したせいか、キャンピングカーを引いてたり、自転車を積んだ車がやたらと多い。皆バカンスなんだねーと微笑ましく眺めていたら、大都市レンヌの環状線で大渋滞に遭遇する(泣)多分10分ぐらいで抜けられる道を1時間以上足止めされた感じ。フランス名物と言われながら、いまだ未体験だったバカンス渋滞ですね、これ。(お盆の高速渋滞のほうがまだ流れるかも!)でも、レンヌを抜けたら、それまでのどんよりした空が青くなって、いかにもバカンス地っていう雰囲気に。結局、途中渋滞やら休憩やら買い物やら入ったので、所要時間は二倍の10時間ほど。

アラミスが司教として住み、ダルがベル・イル視察のために訪れた、ヴァンヌの町に到着すると、いきなりお祭り間近の人があふれる旧市街が現れて、ちょっとワクワクしました。宿は運河沿いの公園近くのGOLFE HOTEL。ロジ・ド・フランス加盟の二つ星ホテルです。
翌朝は、運河沿いを散歩。この運河からベル・イル往復の船も出ていますが、無理せず市内観光のみに留めました。港の水族館に行き、近くの空き地で二晩だけ特別に興行していたサーカス出演の動物を見学(日中1ユーロで見せてくれる)、午後からお祭り期間無料の巡回バスで旧市街へ行き、プチ・トランに乗って「ダル物」に登場したサン・ピエール教会ほか名所巡りをしました。お祭りのせいか、旧市街は観光客だらけでした。夜は娘の希望で、結局サーカスの本公演も見に出かけました。本格的なサーカスが宿の目の前で見られるなんて、こんなチャンスはなかなかありませんから!下見したときの予想通り、虎や馬などの動物芸が素晴らしく、ラクダやラマまで登場。休憩タイムに希望の子には象に乗せてくれるサービスまであって、子供たちは大喜びでした。旅程後半にさしかかり、ようやくまともなヴァカンスができた一日でした。
このサーカス、ヴァンヌは二晩のみで、このあとブルターニュのヴァカンス地を巡業予定のようでした。宿近くの公園に140台ほどのトレーラーやキャンピングカーを停めて設営していたのですが、翌朝散歩に行ったら一台もいなくなってました。公演が終わったのは21時近かったのに、旅芸人の手際の良さに感じ入りました。

歴史テーマパークでダル登場

そして四日目、今回のハイライト?歴史テーマパークのデュ・ピュイ・ド・フォーLE GRAND PARC PUY DU FOUへ。(パリから車で3時間/大人25ユーロ)ここ、デカイです。ディズニーリゾートぐらいあるかもしれません。駐車場も気が遠くなりそうな広さです。エントランスにたどり着くまでに、延々歩く破目になりました。でも、目指すダルタニャンのアトラクションMOUSQUETAIRE DE RICHELIEUの会場は、入り口すぐのところに。

シャンティーの馬の博物館に似せた巨大な建物で、ちょうど12:15の開演時間(この日は4回公演)になるところだったので、たくさんの人が次々と入っていきます。さすがこの夏公開の新アトラクション!入り口を抜け、階段を上ると、劇場のような作りで、ステージを臨むように、段になった広い客席が並んでいます。オーケストラホールといったところでしょうか。客席の中心には玉座らしきものも据えられていて、登場人物が上がってこられるようになっています。

お話はオリジナルで、全編フランス語のため完璧に聞き取れた訳ではありませんが、リシュリューの密命でダルがスペインに行くことになり、スペインの踊り子と恋に落ちて、パリの宮殿に凱旋する、といった?な流れでした。リシュリューや国王夫妻のほか、シラノ三銃士も登場し、松明を灯したまま戦うチャンバラとか、ロープで二階から降りてきたりのアクション、噴水と照明で次第に幻想的になってゆく舞台を走り回る馬や踊り子たちと、芸術的で洗練されたショーを楽しむにはよいかも。私的には、原作のエピソードが生かされていなかったこと、舞台が大きすぎて臨場感に欠けたところが、ちょっと不満だったかも。(アステリックスのショーのほうが、参加している感じがしたかなー)ちなみに、娘は15分も経たないうちに耐えられずにダンナに連れられて途中退場(泣)し、外の庭園で楽しく遊んでいたらしい。うちのダンナによると、ネイティブの子連れ組も何組か脱落していたそうなので、大人向けなのかもしれません。所要時間1時間弱。









 






巨大な観客席。上演前にウェーブの練習タイムもあった

ショーの様子

チャンバラ、騎馬行進と、舞台に張られた水に建物の照明が映りこんで幻想的に美しいフィナーレの人馬混合ダンスシーン

 

テーマパークからアンジュ経由パリへ

終演後、お昼をとろうと思ったら、ダルのアトラクションを見終わった人々でどのお店もあふれ返ってました。レストランは1時間待ち・・・ということで、せっかくお腹が直ったのに、ファストフードで済ませることに(しかも行列進まず30分以上待ったぞ)そのあと猛禽のダンスを見せてくれる中世のアトラクション会場へ。こちらは、昨夜のサーカス並みに分かりやすい。中世のコスプレをしたお兄さん・お姉さんが鷲鷹類やフクロウ、コンドルまで自由に操って飛ばし、はるか上空で点にも見えないところから急降下させたり、スタジアムに座る観客の頭ギリギリの低空飛行をさせたりと、ドキドキ度&迫力満点。フィナーレは、20匹以上いる猛禽たちの乱舞で、これ見れただけでパークの満足度急上昇でした。
他にも猛獣が登場するローマの剣闘士、中世騎馬試合、バイキングのアトラクションがあり、どれも力技で魅せてくれるようです。(ディズニーランドと違って、アトラクションやトイレでの行列はありません)更に夜は別料金でパークとなりの会場を使った、巨大な歴史絵巻のショーがあって、これを目当てに来る人も多い様子。最後にみやげものコーナーで三銃士グッズを捜索。以前入手したソフビ人形の別バージョンパークオリジナルのダルタニャン人形をゲットし、最終夜アンジェのETAP HOTELへ。

ここはNOVOTELと同じアコーグループの1ランク下のファミリー向け格安ホテルチェーン。(一泊3名朝食つきで47ユーロ)一階がダブル仕様の二段ベッドで一家三人ゆったり眠れますが、バスなしでシャワーが固定なので、幼児連れにはつらいかも。朝食もバイキングですが、パンと飲み物のみで肉類や果物はありません。高速無線LANは配備で、前のホテルで契約して使い残した分のネット接続ができたので、ちょっと助かりました。高速入り口すぐにあって、翌朝パリに出発するのに便利そう&ユーロ高(大泣)で節約しようと選んだのですが、健康なら一晩ぐらいは格安もOKだけど、子連れ旅行は、やっぱり寝るとこをケチってはいかんなーと今回は痛感したのでした(苦笑)。目の前に高速サービスエリアのステーキハウスがあり、最後の夜にして、やっとまともなレストランで食事ができたのは嬉しかったな。

翌日は夕方18時30分のテイクオフに間に合うよう、午前中にパリへ到着。時間まで空港近くの巨大ショッピングセンターPARINORで最後のおみやげを品定めしようと企んでいたら、なんとお休みで大ショック(バカンス時期のパリ周辺は要注意なのか!?)。かろうじて開いていたレストランで昼食後、スーパー探しの旅に出たけど見つからずに断念。こうして一週間(正味4日)の駆け足家族旅行は幕を閉じたのでした。そういえば、お盆のイギリステロ騒動は、出発の翌日だったので、難を逃れました。でも空港には自動小銃を持った軍人さんらしき人がいらっしゃいまして、まだものものしい雰囲気だったです。


パリ〜ヴァンヌ間/パリ・モンパルナス駅からTGVで3時間
ヴァンヌ〜ベル・イル/レンタカー・フェリーで約1〜2時間
ヴァンヌ〜デュピュイ/鉄道・レンタカー(高速道)で2時間
デュピュイ〜アンジェ/レンタカーで1時間
アンジェ〜パリ/レンタカーで約3時間弱

大西洋岸は、長距離移動をTGV利用にするか、ナント空港経由にすれば、レンタカーでなくても一泊以上で訪問可能な(パークは最寄駅から30〜60分タクシー利用が必要)地域です。人気のヴァカンス地ですので観光客の便も充実。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。


<今回の三銃士的収穫>


パークオリジナルの(トレヴィル?じゃないから多分・・・隊長の頃の)ダル人形


  
新型ソフビ人形。前回よりコミカルな感じ

©三銃士ファンクラブ銃士倶楽部2006/写真&文NO.19いせざきるい>

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